<NPO法人 文化センター・アリラン 特別企画>朝鮮「解放1年・分断80年」の歴史が投げかけるもの

2025年は朝鮮の解放から80年となります。第二次世界大戦における日本の敗戦にともない、朝鮮民族は植民地支配から解き放たれました。しかし、続く米ソによる分割占領を経て、1948年には南北に二つの政権が樹立されたまま、今日にいたるまで分断体制が継続しています。また、1950年に勃発した朝鮮戦争はいまだ停戦状態のまま終結していません。

私たちはこのように、2025年を「分断80年」として迎えざるをえなかったことの重みに目を向け、改めて朝鮮民族、ひいては日本を含む東アジアの現代史の課題について考えるための講演会を開催いたします。講師には解放直後の「朝鮮人民共和国」に関する研究やブルース・カミングスの大著『朝鮮戦争の起源』の訳者として知られる、朝鮮現代史研究者の林哲さんを迎え、「朝鮮『解放1年・分断80年』の歴史が投げかけるもの」というテーマで講演をしていただきます。

なぜ「分断80年」だけでなく、「解放1年」に注目するのでしょうか。南北分断は1948年に始まったものと考えられていますが、実際には新たな朝鮮の社会変革をめぐる民衆と米占領軍・旧親日派勢力の対立は1945年にすでに生じていました。そして「解放1年」には人びとの様々な思想や実践、そして連帯の豊かな経験が積み重ねられました。しかし、この歴史は分断体制を作りあげていった暴力によって隠されていきました。この封じ込められた「解放1年」の歴史に改めて光をあてることで、「分断80年」を乗り越える知見を得ることができないか。それがこの講演会を企画した問題意識となります。

解放から80年が経ったにもかかわらず、在日朝鮮人を含む朝鮮民族の悲願であった祖国統一への道は容易に見通せない状況にあります。本講演会が朝鮮の統一と平和に関心を持つ方々の力になることを願っています。

♦講師♦

林哲さん(津田塾大学名誉教授)


1946年ソウル生まれ。早稲田大学第一政経学部政治学科卒、東京大学大学院社会学研究科国際関係論博士課程修了。
津田塾大学学芸学部国際関係学科教授。近現代朝鮮史、東アジア国際政治史専攻。著書に『東アジア近現代史』(共著 有斐閣1990年)、『「在日」から考える 20世紀を生きた朝鮮人』(共著 大和書房 1998年)、訳書に徐仲錫『現代朝鮮の悲劇の指導者たち』(共訳 明石書店 2007年)、ブルース・カミングス『朝鮮戦争の起源』1,2上,2下(全3巻)(共訳 明石書店 2012年)。
論文に「亡命運動家鄭敬謨先生の生涯と時代」(『平和・コミュニティ研究』第12号、立教大学平和・コミュニティ研究機構 2022年)

♦日時♦

2025年12月13日(土)15:00~(開場14:15~)

♦場所♦

2階 FUJI
東京都新宿区新宿5-15-14 INBOUND LEAGUE 2階

♦参加費♦

一般:1,000円
学生/何かしらの困難を抱えている方:600円

お申し込み方法♦

以下のURLからログインしてお申し込みください。
https://arirang-speciallecture2025.peatix.com/